個別化医療・歯科医療とは、各患者の生物学的、社会的、行動的特徴やニーズに基づいて、診断法や治療法を個人に合わせることを指す。個別化歯科医療はまだ実現には程遠いものの、高度な人工知能(AI)技術とデータ分析アプローチの改善により、個人レベル、環境レベル、システムレベルの多様なデータが統合されることが期待される。これにより、これらのマルチレベルデータの相互作用に関するより深い理解が促進され、より個別化された、予知性が高い、予防的で参加型の歯科(P4歯科とも呼ばれる)に近づく可能性がある。口腔再生とインプラント治療の分野では、歯科医の診断と治療計画を支援するAIアプリケーションがますます増えており、その中には、専門医と同等、あるいはそれ以上のパフォーマンスを提供する市販のソフトウェアもある。今後数ヵ月間、フォーラム・インプラントロジカムでは、このホットなトピックに焦点を当て、この分野の専門家による以下の記事を掲載する:
破壊的イノベーションについて、特にインプラント歯科治療におけるAIの活用についてのJoda教授らによる考察(スイス、チューリッヒ)
Matheus Oliveira教授(ブラジル、カンピーナス)による、コーンビームCTスキャンによるアーチファクトの詳細と、AIがそのような画像の改善にどのように役立つかの考察
Stadlinger教授ら(スイス、チューリッヒ)による、口腔外科およびインプラント分野におけるAIの詳細なレビュー。ここでは現在の開発は放射線学に基づくシステムが中心であるが、言語学に基づくシステムも開発され始めていることが強調されている
Ivanovski教授(オーストラリア、ブリスベン)による、個別化口腔インプラント学の概要と今後の可能性の展望
Mandelaris博士とFaiella博士(米国)による、拡張現実(AR)アプリケーションとその機会を含む、歯科インプラント埋入手術のためのAIについての詳細な考察
編集委員会を代表し、この選りすぐりの記事が啓発的かつ実用的であり、読者の日々の臨床を向上させる貴重な洞察を提供するものであることを願うものである。
Michael M. Bornstein
編集長